ゆっくり走ると速く走れる

道路表示「SLOW」と横断歩道を走る少女

小さい子供が自転車に乗っていたりすると、たまに面白い光景に出くわします。子供がシャカシャカとペダルを勢いよく回している。だけど自転車はゆっくりと進んでいく。ペダルは猛スピードで回っいるのに、ギアが軽いままなのでスピードが全く出ていないのです。でも子供は一生懸命に、必死にペダルを回しています。

「ギアの上げ方を知らないのかな」と、この様子を僕らはほっこりしながら眺めたりしますが、実はこのスピードの出ない自転車の乗り方は、ほとんど人の『走り方』と同じなんです。なんとか速く走ろうと、手足を目一杯速く動かす。それは、ギアを変えずに一生懸命ペダルを回しているのと一緒です。だからスピードがなかなか上がらない。いつまでも必死の形相で、僕たちはペダルをシャカシャカ回してしまっているんです。

スピードを上げるには、ギアを上げなくてはいけない。カラダのギアを上げれば、”僕らは誰でも” もっと速く走れます。自転車のギアの上げ方は、お店の人や家族や友人が教えてくれました。でも僕らは、カラダのギアの上げ方は教えてもらっていない。さて、どうすればいいのでしょうか。


”カラダ” のギアの上げ方ですから、やはりそこは ”カラダ” に聞くしかありませんよね。ただ、カラダはとても優しい反面、頑固な一面も持ち合わせていたりします。簡単に教えてくれるかどうかはわかりません。近所のちょっと怖そうな老紳士みたいに思って下さい。教えてもらうには ”それなりの態度” というものがありそうです。ほら、何かをお願いする時には、相手が喜びそうな菓子折りとかね。そういうことが大切だったりします。

では、どうしたらカラダは喜んでくれるのか。それはですね、ゆっくり走ると喜んでくれます。カラダはあなたにゆっくり走ってもらいたい。ゆっくり走ると、カラダは ”気持ち良さ” を感じることができます。その ”気持ち良さ” をカラダは求めているのです。だから、あなたがゆっくり走ると、カラダは気持ち良くなって、あなたに『ギアの上げ方』を教えてくれるのです。


もし、ゆっくり走っても『ギアの上げ方』がよくわからないという人は、もう少しスピードを落としてみる。今までずいぶんとカラダを酷使してきませんでしたか。その程度の ”気持ち良さ” では、カラダは納得してくれないようです。そういう時は、もっとゆっくり。早歩きよりゆっくりでも大丈夫です。なんなら、明日の朝まで走るつもりで。

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