逆立ちはタイムマシン

夕日をバックに砂浜で逆立ちする女性

小学校の同級生に「ヨシヒロ君」というスポーツ万能の友人がいました。彼は、野球でもサッカーでもバスケでも、どんなスポーツをやっても驚くほど上手だったのです。特段スポーツを習っていたわけではなく、毎日放課後外で遊んでいる、野生児を絵に描いたような少年でした。

そんな彼がある時、クラス全員の前で逆立ちを披露しました。教室の真ん中で、ひょいっと足を上げて、一人で逆立ちをする。一人で逆立ちが出来たのは彼だけでした。彼にとっては、逆立ちも小さな頃からの遊びの一つだったのです。



実は、逆立ちはカラダを上手に使うための最高のトレーニングなのです。カラダには、カラダを上手に動かすための情報が詰まっています。それは、地球上に生命が誕生してからの”およそ35億年の叡智”。過去からのプレゼントなのです。ただ僕たち自身は、どんな情報が詰まっているのか知りません。でもその情報にアクセスできると、自分でも驚くような動きが出来てしまうのです。

ところが現代の生活では、カラダの情報にアクセスする必要がだんだんと減ってきました。だから僕らは、叡智を取り出す方法を忘れつつある。

そんな日常の中で、逆立ちはカラダの情報にアクセスするための、数少ない方法の一つなんです。逆立ちをすると、カラダの中をタイムマシンで旅するように、過去の叡智に触れることができる。すると「えっ、こんな動きができちゃうの」というように、自分でも驚くような動きが自然と出来てしまう。カラダの中に眠っていた才能を、逆立ちが呼び起こしてくれるのです。



でもまあ、そんなウンチクはほっといて、とりあえず壁に向かって ”ひょいっ” と足を上げてみる。すると、思った以上にカラダは喜んでくれます。

壁ありで出来る人は、ぜひ壁なしで。上手くできなくても大丈夫です。トライすることで、カラダの叡智と繋がれるのだから。

夕日をバックに砂浜で逆立ちする女性

Comments are closed.