身体

砂時計

逆立ちする幼児とぬいぐるみのクマ

勉強会で逆立ちについての話があった。

僕らの身体は時間と共に硬くなっていく。生まれた時はお餅みたいにグニャグニャなのに、あちらの世界に旅立つ時は石のように硬くなってしまう。それは日常生活で腰に負担をかけ、肩甲骨をあまり使わなくなった現代人の宿命とも言える。しかし逆立ちは、そんな硬くなっていく身体を柔らかくしてくれる。逆立ちは常にストレスにさらされている腰を一時的に開放し、普段出番の少ない肩甲骨を表舞台に引き出す。逆立ちによって背中全体のバランスが整えられ、身体は柔らかさを取り戻していく。

そういう話だった。なるほど。逆立ちは砂時計のようなものだと。両手を地面について足をヒョイっとあげれば、まるで砂時計を逆さまにするように僕らは流れる時間をも反転させられる。

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勉強会で相撲についての話があった。

時はむかしむかし、民の願いは「お腹いっぱい食べたい」でした。「神様!みんなが楽しみにしている相撲を捧げます。それでどうか五穀豊穣をお願いします」。そうやって相撲は受け継がれてきました。

ところが問題が。五穀豊穣の願いはずっと続きます。けれど運動能力の優れた人しか力士になれないとなると、そういう人材がいなくなったとき相撲が続けられなくなる。それでは困る。ごく平均的な能力しか持っていなくても力士になれないといけない。

相撲の稽古はそういう問題を解決すべく編み出されてきました。だから『四股』『てっぽう』『すり足』といった相撲の稽古には、運動能力を劇的に高めてくれる古の叡智が詰まっているのです。

そういう話だった。なるほど。『四股』『てっぽう』『すり足』といった相撲の代表的な稽古は、普通の人をトップアスリートに変えてしまうと。世界のトップアスリートがトレーニングで四股を踏む。そんな映像を目にする日も近いかもしれない。

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どうしたらスポーツはもっと上達するのか。

先生にそういうことを聞いたことがある。たぶん ”いい大人” はこういう質問をしない。もしかしたら、してはいけないのかもしれない。でも僕は決して ”いい大人” ではないし、もっと言うと ”大人” かどうかも怪しい。だからどうかお許し願いたい。『スポーツがもっと上手くなりたい』そう思っている世界中の子供達のために。そんなことを思いながら、恐る恐る返答を待つ。

「早く寝ることですかね」

先生はそう言われました。

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