子供の頃、ソフトボールの試合でよくホームランを打つ友人がいました。彼はクラスでも小さい方で、しかも細身。パワーがあるような身体には見えなません。それなのに、彼が打ったボールは勢いよく外野の頭を越えていきます。小さく細い身体のどこにそんなパワーがあったのか、とても不思議だったのです。
実は、ぼくらのカラダには電動アシスト自転車のようなアシスト機能が備わっていたのです。それを使うと、少ない力で大きなパワーを出すことができる。それは、すべての人に備わっています。ただ、少しコツがいる。別に難しいことではありません。知ってかしらずかそのコツを掴んでいる人が大きな力を出せたのです。
そのコツというのは『片足に体重を乗せる』。
身体の構造はとても不思議です。片足にしっかりと体重が乗ると、身体が軽く感じられます。2本の足で支えていた体重を1本の足で支える。頭で考えれば重く感じるはずです。でも片足に全体重がピタッと乗った時、一瞬フワッと身体が軽くなる。重力から解放されたみたいに、身体が自由になるのです。
それは、地球からのアシストなのです。フラミンゴのように片足に体重がピタッと乗ると、地球から大きなパワーがやってきます。するとぼくらは、より速く走れるし、より大きなパワーを出すことができる。また「片足に体重を乗せる」というのは、特段難しくはありません。足の裏にそっと体重を乗せ、スッと立つ。歩く時や、日常の動き中で意識するだけでも変わってきます。
そして、ここまで読んで下さった皆さんは探究心にあふれているので、”どれどれ” と興味深く試されるかもしれません。片足に体重をかけてみたり、片足立ちしてみたり。色々試してみる。そして試した後、こう思います。
「サイトウは嘘ばっかり言いやがる」
「ちっとも軽くなんて感じない。ただ筋肉が辛いだけだ」
でもそれはですね、サイトウが言った ”軽くなりますよ” という余計なアドバイスが一緒に乗っかっているからです。だからその分重くなった。
月日が流れ、ある時ふと「なんか今、身体が軽く感じた」そんな時がやってきます。そして、そういえば「片足に体重が乗ると身体が軽くなる」って誰かが言ってような。そんなことをうっすら思い出した時、カラダはコツを掴みつつあるのです。